ハブダイナモ風力発電・壱の章
Published by mabo under 01. 手作り風力発電 on 17:00自転車の発電機、ハブダイナモを使った風力発電です。
ハブダイナモは低速型の発電機です。高速で風車を回す必要はありません。
しかし、コギングが有るため微風では廻り難い性質もあります。
そこで・・・
〇 微風から回り始める。
〇 強風時にも耐えられる。
をテーマに、風力発電機を作ってみました。
既に作られているハブダイナモ風車を見ると、特にブレードの取り付け部に苦労をしている様です。ハブダイナモの周りには、スポークを引っかける穴が開いています。ここを利用してブレードを取り付けることを考えます。ただ平たい部分が少ないので、直接付けるとなると色々思案しなければなりません。耐久性やビジュアルを考えるとますます難しくなりますね。
ハブダイナモ発電機を単体で使うなら、これも当然と言えば当然なのですが・・・
ハブダイナモが自転車に付いている状態の時は、スポークとホイールが一体になっています。
折角なので、スポークとホイールはばらさずにそのまま利用しましょう。
ハブダイナモ単体と比べたら、ホイールやスポークが有る分けっこう重量は重くなります。しかしその重さが幸いし、風車の慣性力を増すことになります。一度回り出してたら止まり難くい風車になります。
微風から回り始める一番の理由は、多翼型にしたことにあります。ブレード(羽)の枚数が、大9枚小9枚の合計18枚翼です。
風に対する抵抗が大きくなり、微風での回りだしが良くなります。
ホイールそのままの風車では、取り付ける羽をホイール内側に納まるよう考える人がいます。見た目もスッキリと仕上げたい。そんな気持ちの表れなのでしょうか。
でも、これはいけません。
ホイール径よりもブレードを長くし風車の直径を大きくすることで、よりいっそう風車の回り出しが良くなります。
また多翼型にすると、これが抵抗となり、強風でも必要以上に回転があがりません。
ハブダイナモはある程度の回転数に達すると、それ以上発電しないよう抑制しています。
回れば回るほど発電量が上がる発電機ではありません。ですから、回転の上がり過ぎは無駄になります。
試作の時、スポークが邪魔だからと何本か(9本)外してしまいました。
耐久性には問題は無いようですが・・・
試行錯誤していたら、「な〜んだ。スポークに沿って固定すれば良いんじゃないか!」と気付き、ブレードの配置を考える様になりました。より強度をアップして、ゴミも出さないことを考えるなら、スポーク間のスペースを見つけて上手く配置できるように考えてみましょう。
この画像、風車では『ノーズコーン』と呼ばれているところです。このハブダイナモ風車はホイールが回転するので、中心部分は廻りません。
アングル?を付けてノーズコーンの取り付け台とします。
100円ショップで購入したステンレスボールに穴を開けて固定します。
これで本体は出来上がりです。
続いて、風車の垂直回転軸を考えてみましょう。
所謂、ヨー軸です。
今回は、台車などに使われているキャスターを使います。
ローラー部分は使わないので、軸をサンダーでカットしてローラーを外しておきます。
取り付け穴4か所の内2か所を利用して、ハブダイナモ風車固定用に丈夫なアングルを取り付けます。
そこへ、尾翼を取り付ける為に組み立て棚の部材を固定します。
尾翼は、余っていた9mm厚のシナベニアにペイントして・・・ハイ出来上がり。
発電機部分のハブダイナモは、羽根を付けると3kgほどになります。(結構重いです)
尾翼と支柱の重さで、前後のバランスを取りましょう。
ヨー軸にキャスターを使ったのは、ローコストで簡単に手に入る部品だからでした。
しかし回転部のガタ付が大きく、水平に取り付けたつもりがハブダイナモの重みにお辞儀をしてしまいます。回転すると音も大きくなりなりますから、あまりお勧めは出来ません。
ホームセンターでは、少し値段は高くなりますが静穏型のキャスターが販売されています。
回転音だけでなくガタツキも少ないようです。
もし使った方がいましたら、情報をお願いします。
支柱へ取り付けることも考えなければなりませんが、自転車のフロント部分(ハンドルの下)の回転部分は、強度もあり超お薦めです。
今回僕は、この部品が手に入らず使用しませんでしたが、自転車は粗大ごみとして出されることもあります。また最寄りの清掃センターなどに問い合わせると、簡単に入手できるかもしれません。自転車一台潰せるなら、ぜひこの部分のご活用も考えてください。
12Vバッテリーの充電には、倍電圧全波整流回路を使います。より低速からでも充電を開始できるよう、25V/470μFのコンデンサを選択しました。
ケースは100均のレターケースです。