ハブダイナモの整流回路
Published by mabo under 08. ハブダイナモの力 on 19:31ハブダイナモは交流の発電機です。
発電した電気をバッテリーやニッカド電池などに充電するためには、
整流回路を通して、交流の電気を直流に変換する必要があります。
もっとも基本的な整流回路として、ブリッジ整流という方法があります。
ダイオード4個とコンデンサ1個の部品で作る事ができます。
(冒頭写真・右側)
ダイオード4本分のブリッジダイオード
↑ クリックで拡大また、1つの部品でダイオード4個分の仕事ができるよう足が4本付いた「ブリッジダイオード」を使う方法もあります。
これならダイオードとコンデンサの部品2個で済みます。
接続は、左右にある交流マークの付いたところにハブダイナモから入力。
プラス側は+の記号がありますからわかりますね。 5402と数字が書いてあるほうがマイナスになります。
整流後、ハブダイナモの回転数が上がると電圧も上昇し、12Vのバッテリーへ充電することもできます。
しかし回転が上がらなければ、バッテリーへ充電できる電圧にもなりません。
やっと電圧がとどいただけでは僅かの電流しか充電されず、自然放電を考えれば12Vバッテリーへ溜める意味はなくなってしまいます。
そんな時は、6Vバッテリーへの充電をお奨めします。
手作りLEDの夜間照明や、USB電源(5V)で使える携帯電話・ipodの充電などの利用方法があります。
ニッケル水素(NiMH)電池
6Vでもまだハードルが高いという時には、充電式の電池があります。
1個1.2Vの電池ですから、電圧によって数を増減していく方法をとれます。
それでも、12Vバッテリーへの充電が諦められないと言うなら、まだ方法はあります。
■ 一つは、昇圧回路を使う方法です。
ハブダイナモで発電した電気を、安定した電圧を保つため、ニッケル水素電池や6Vのバッテリーに蓄えます。その後昇圧して、12Vのバッテリーへ充電するという、ステップ充電方式をとることができます。
<初心者の作る電子工作>に作り方をアップしていますが、3Vの入力電圧でも15Vくらいまで昇圧できます。(ただし、昇圧による20%近いロスが発生しますから、最終兵器と考えましょう)
■ もう1つの方法としては、倍電圧整流回路です。
↑ クリックで拡大
ダイオードとコンデンサ各2本づつの簡単な回路構成です。
仮に、ブリッジ整流で電圧が8Vまでしか上がらない時でも、この回路なら倍の16Vまで昇圧する事が出来て、12Vのバッテリーに充電する事も可能になります。
ただし、この整流方法は決して魔法の回路ではありません。
電圧を倍に上げることはできますが、そのぶん電流は半分になってしまいます。
倍電圧整流の場合、ハブダイナモ回転数/40rpmから充電が開始します。
ただ200rpmをピークに、充電電流がドロップする現象が起きています。
※コンデンサ容量を変えたり、ダイオードの数を増やしたり(パラレル接続)すると、ピーク点が変わります。現在、追跡調査中です。
ブリッジ全波整流が良いのか、倍電圧整流が良いのかは、ハブダイナモの回転数で決まります。
どの回転域がもっとも適しているのか、目安となるデータがあります。(後日アップします)
しかし必ずしもデータどうりの回転数が得られるわけではありませんから、2つとも製作し、テストしてから決めましょう。
<使用部品>
■ブリッジ整流回路
ダイオー ERA82-004(40V0.6A高速ショットキバリア) コンデンサ 16V/1500μF ■倍電圧整流回路 ダイオード RK16(60V1.5A)
コンデンサ 25V/100μF
(部品耐圧は、無負荷運転時を考えて35~50Vを推奨/ダイオードは1A(ショットキ)程度で良い) |
※回転数と充電電流の関係、VFの違い・コンデンサ容量の違いによる充電電流については、また後で