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エアギャップ発電機の構造

Published by mabo under on 13:29

その構造はいたって簡単な、エアギャップ発電機


しかし、いざ作ろうとするとどこから手をつけて良いのやら・・・

私は、初めて自作の風力発電機を作ろうと考えてから、
実際に作り始めるまでには2年以上もかかっていました







インターネットで見つけたエアギャップ発電機
シンプルな構造ですぐにでも出来そうだ
コイルの上を、マグネットが通過する事で電気が起きる、『フレミングの法則』とやらを利用するらしい
そういえば高校の物理の時間に勉強した記憶も・・・

あまり電気に詳しくない私にとっては、発電機を作ったところで、ここから先どうやってよいのかもわからず、
唯々時間だけが過ぎていた

そんな時、高校時代の後輩が手作り発電機で風車を作った、との話

早速訪ねてみると、風車のメンテナンスの多さ、
思ったほどの出力も出ない手作り発電機

一年ほどで止めてしまった、と言う

労多くして功少なし』

やめたほうが賢明ですとまで言われてしまった

後輩に、実際に風車が稼動していた時の話を聞き、帰りには右のステータ・コイルの残骸や要らなくなったネオジム磁石ローターなどを頂いて来た

しかしこの残骸は、後の発電機作りのバイブルとなり
エアギャップ発電機の構造はもちろん、コイルの配線(結線)、ローターとの関係、等々沢山の事を学ぶ事が出来た

今にして思えば、この残骸がなければ手作り発電機の世界に足を踏み入れる事は、なかったかも知れない

前置きが長くなったが、手作りする方が私のように時間を無駄にしないよう、下記に基本をまとめたいと思う


≪発電機詳細図≫



主要部品(画像はクリックで拡大します) 部品の位置関係が解るよう色分けしています

① コイル(ステーター)
② ネオジム磁石(赤・マグネットガイド/濃いグレー・ローター板)
③ ベアリング・ホルダーセット
④ ステンレスシャフト(回転軸)
⑤ 6角支柱
⑥ セットカラー(ローター固定用)
⑦ スペーサー(エアギャップ調整用)
⑧ ステーター高さ調整ボルト

回転する部分は、②④⑥⑦

フレーム(構造体)に固定されている部分は、①③⑤⑧


◇ フレーム

前後のプレートそれぞれに、ベアリングホルダーセット
6角支柱(発電機の幅が決まる)を固定
ステーター調整用にボルトを立てる(詳細は後記で)

★一口メモ

穴あけ加工時には、前後のプレートにステーターを挟み込み、3枚同時に加工する事で芯ズレを無くす事が出来ます
(同芯穴加工)
mabofarmでは、前後のプレート材に3mm厚のアルミ板(ホームセンターにあったもの)を使用していますが、9~12mm程度のシナベニアでも大丈夫です
6角支柱や固定ボルトの材質には、ステンレスかアルミを使用してください
スチール製は、コギングの原因になります


◇ ステーター

ステーターの材質には、4mm厚のシナベニアを使用しています
(画像は5.5mmのMDF材です)
コイルを固定する際には、エポキシ系接着剤で固定しますが、その前に防水性と強度アップのために塗装する事をお勧めします

ステーターの高さ(位置)調整は、ナットを上下して行います
風力発電1号機は、躯体となる6角支柱は無く、位置調整用のボルトをM8ボルトで兼用しています

◇ ローター

赤は、マグネットガイドで2mm厚のMDF板を使用(2・3号機は4mm厚シナベニヤを使用)
真ん中にあるものは、セットカラーと言うもので、ローターを回転軸(下のステンレスシャフト)に固定する為に使います
上のリングは、エアギャップ調整用の自作アルミワッシャーです
自作しなくてもシャフト径より大きいワッシャーを使って調整できます(微調整は出来ませんが)

セットするとこのようになります
一体となって回転する部分です

2枚のローターの間に、先ほどのスペーサーが挟まれていますが、マグネットがセットされた状態のローター(マグネット)とローター(マグネット)の間隔の事をエアギャップといいます

※このエアギャップをいかに詰められるかが、発電機の性能を左右します


★ 参考までに ★

● マグネットガイドやステーターの穴が上手く貫けない

そこで、こんなものはいかがでしょうか?

風力発電1号機のマグネットガイドを作る際、ホームセンター廻りをしているうちに見つけました
オルファー製のコンパス型のカッターです
最大半径75mm ⇒ φ150mmまでOK!
4mmのシナベニヤまでなら穴繰りをする事が可能です
貫いた後は、荒目のペーパーで綺麗に仕上がります

● 回転軸(ステンレスシャフト)が入手出来ない・作れない

手作りの風力発電はメンテナンスが必要です
mabofarmでは、部品を交換する事も考えて、なるべく入手できる市販品を使うようにしています
現在使用中のステンレスシャフトは、材質・全長・径・ネジ径・ネジ部長さ・等々 すべてオーダーで発注しています
(1500円程度)
しかし、残念ながら、個人での注文は受け付けておりません
ご自分で、販売サイトを探すか、家の近くの旋盤屋さん・ホームセンター等で問い合わせる必要があります

もっと簡単にできないものか?

ホームセンターでいつでも入手できるもの

ステンレス全ネジを使います
セットカラーも要りません 
ローターの固定はワッシャーとナット
ギャップ調整もナットで出来ます

問題は、M12のステンレス全ネジ径が、約11.85mmである事
内径φ12mmのベアリングが、回転するとガタついてしまいます(芯ぶれ)

対策としては、

ハブダイナモ水車で説明したように、銅線をベアリングに入る部分だけ巻き、ガタ止めをすれば解消できます
ローターの中心穴も、小さめに加工するとか、リーマ加工で精度を上げる事が出来ます

また規格の全ネジを使うわけですから、これ以外の加工も容易くなるはずです
他の部品でも、代わりになるものは必ずあります
私も、毎日のようにホームセンター廻りをした時期もありました
諦めないで、探してみてください

■ 薦められないローター加工 ■

● ローター(鋼板)の丸切りが出来ない!

旋盤やフライス盤がないと、中々綺麗な円形状を作り上げる事は難しいですよね
決して薦められる加工方法ではありませんが、手持ちの工具で苦労して綺麗な丸を仕上げた知り合いの加工方法を紹介しておきます

やり方は、

1.鋼板に回転軸となる穴を開ける
2.ジグソーで丸外形の荒取り
3.鋼板を回転軸に固定
4.ボール盤に軸を固定
5.回転しながら、外形をサンダーorヤスリをかける

たいへん危険な作業です
マネをする方は、十分注意して、あくまでも自己責任でお願いします

※加工方法や部品の調達など、それぞれの環境によっては難しい部分が沢山出てきます
でも、それぞれにあった方法が必ず見つかるはずです 頑張ってみて下さい!



 

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