大きな電流の測定
Published by mabo under 07. 発電機に使えるもの on 17:59一般的に使われている安価なテスターは、最大 DC10A までしか測定できません。
( 因みに私のテスターは、12A未満ならなんとか測れます(秋月で800円でした))
エアギャップ発電機や、大電流が流れそうな発電機の性能テストには、10A以上の電流測定ができるテスターが
必要になります。
そこで、こちらはDC100A(アンペア)まで測れるテスターです。
でも、値段も結構いたします。
今回は、簡単にできる『簡易型大電流(~20A)測定機?』 の正しい数値を
補正するため、スズキデザインさんよりお借りしてきました。
●大電流の測定にはセメント抵抗を使います。
測定に使うセメント抵抗は、写真のような4端子の物です。
普通の抵抗では、測定地点と入出力端子との距離があり正確な測定が出来ません。
(リード線も抵抗となる)
このセメント抵抗は、47mΩ/20Wです。
僅かな抵抗値のため私のテスターでは測定できません。
まず、この抵抗に1Aの電流が流れる時の電圧を、
オームの法則で計算します。
47mΩ ⇒ 0.047(抵抗Ω)×1(電流A)=0.047(電圧V)となり
1Aの電流が流れているとき、測定電圧は0.047Vとなります。
この計算から発電電流を測定します。
10Aなら 0.047×10=0.47V
20Aなら 0.047×20=0.94Vとなるわけですが、ここで注意しなければいけない事があります。
このセメント抵抗規格は20Wです。
発電電流が21Aの時の電圧は、0.047×21=0.987Vですがこの時の電力は、(電力W=電流A×電圧V)
21A×0.987V=20.727Wで定格電力を超えてしまいます。
この方法でも20Aまでと考えておきましょう。
接続図
実験は、前回テストしたエアコン用モーターで再び(10A以上の)測定をしています。
当然、12Vバッテリーへの充電電流の値です。
※ バッテリー充電テスト時に、気をつけなければいけないことがあります。強制的に充電を続けていくと、すぐに満充電となり電圧が上がり続けます。電圧が上がれば電流は下がりますから、測定結果にバラツキが出てしまいます。
適度な電圧を保つため何か負荷になるものを接続しておく必要があります。
(私の場合は約2.4wの自作LED照明を繋いでいました。でも、少し負荷が軽かったようです。)
回転数(rpm)
|
電圧(V)
|
予想電流値(A)
電圧÷0.047
|
実測電流(A)
|
抵抗補正値
(0.0445)
|
1000
|
0.48
|
10.21
|
11.3
|
10.79
|
1200
|
0.58
|
12.34
|
13.4
|
13.03
|
1400
|
0.64
|
13.62
|
14.6
|
14.38
|
1600
|
0.68
|
14.47
|
15.3
|
15.28
|
1800
|
0.70
|
14.89
|
15.8
|
15.73
|
2000
|
0.73
|
15.53
|
16.3
|
16.40
|
2200
|
0.75
|
15.96
|
16.8
|
16.85
|
実測電流値は、DC100Aまで測れるテスターで計測した数値です。
この測定結果を基準値として考えるわけです。
結果から、係数0.047では正しい電流値とはなりませんでした。
抵抗値自体にもバラつきがありますから、これは仕方ありません。
係数を0.0445あたりで計算するといい感じになってきます。
実際には17Aも流れていますから、接続のケーブルにも配慮が必要でした。
測定時は、1.25sqケーブルでしたからロスが多かったかもしれません。
細い線では、流れるものも流れません。25Aは流せる3.5sq以上はないといけませんね。
少し疑問が残りました。
整流回路に使っていたダイオードは、前回時テストのものとは違いがありました。(放熱板付きなのですが・・・)
ダイオードの違いなのか、前回よりも若干発電電流が少なくなっています。
改めて、整流回路に使うダイオードも見直してみたいと思います。
※10A以上発電出来るモーターは、大変魅力的です。ただ、充電電流の上昇具合をみてもわかるように、1600rpmを過ぎた辺りから極端に充電効率が落ちてきます。発電機としての常用回転を考えるなら、1200rpm程度にとどめておいたほうが無難ではないかと思いました。
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