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カラハナ草(山ホップ)

Published by mabo under on 7:39
  




山に自生するホップ “カラハナ草”


僕の住む那須地域にも、自生する山ホップがありました。
探してみると、毬花の形の違う、数種類の山ホップを見つける事ができます。


写真のホップは、キリンの『毬花』というビールに使われていたホップに、“良く似た香り”がします。

ホップは、根から栽培するだけでなく、挿し芽でも簡単に増やす事ができます
山でホップを見つけたら、蔓ごと引き千切る事なく、ちょっとだけ(15cmくらい)新芽を戴いて来ましょう




 ★ 栽培前の知識 



栽培を始める前に、ホップについて少し勉強してみましょう。

ホップは蔓性の多年生植物で、雌株と雄株の異なる株にわかれています。両性とも葉の形など外見上はまったく見分けがつかず、花の咲く時期になってやっとわかります。

ビールに使われるホップとは、雌株に咲く花の事で、毬花とも言われています。

雌株と雄株が近くにあると、雌花(毬花)は受精し、結果として毬花は大きくなるのですが、苦味や香りは劣化してしまいます。(使えなくなってしまいます)

そこで通常の栽培では、雌株のみを栽培する事になるわけです。


●ホップの特徴



葉の縁はノコギリ状にぎざぎざになっていて、形は同じ蔓でも、ハート形、3裂、5裂のものがあり、この形は節によって対生しています。

ただし、植え付けた初年度や根にあまり養分が蓄積されていなかった年、植えた場所が適していなかった場合などは、殆どがハート形になってしまいます。

茎や葉の後ろには、蔓性の植物の特徴でもある鈎毛(トゲのようなもの)があり、蔓が巻き上がるのに役立っています。




主茎は萌芽後50cmくらいまでは真っ直ぐ伸び、それ以降になると支柱に左巻きに巻きつくようになります。

ホップ栽培は、この支柱を立てる時期が非常に大切です。
支柱などを立てずそのままにしておくと、主茎の成長は弱まり、側枝の伸びが盛んになります。

反対に蔓が直立している時期から支柱の用意をすると側枝は殆ど伸びず、元気に伸び続けます。そして2mを越える頃から主茎の伸びるにしたがって側枝も伸び始めます。

ホップとなる毬花は側枝の脇から開花します。 しかも、主茎の半分より上のほうが、下側に比べ側枝の伸びも良く、またそこから横へ伸びる枝から花が咲いてくるので、沢山のホップを収穫する為には、なるべく高く主茎を伸ばしてあげる事が大切になってきます。



ちょっと解り難いですが、この写真は花びらを開いた状態のものです。
(乾燥し過ぎて、ちょっとビールには使えそうにありません...)

花びらの付け根部分にある黄色い粒(ルプリン)が、ビールの苦味や香りを与えます。

収穫は毬花を指先で押すと、弾力があり、カサカサという音がします。
このカサカサ音と、ホップ特有の香りが、収穫の適期となります。
因みに、私の住む那須地域での山ホップの収穫時期は、9月末から10月半ばくらいとなります。



●ホップの増やし方

① 株で増やす



左端の写真は、山からホップ(カラハナ草)を取ってきた時のものです。

ホップを増やす方法としては、株分けが一番簡単です。

約20cmくらいの長さに根を切り取ってメネデール溶液(植物活性剤)に一時間ほど浸してから植えます。(無ければ、ただの水でもOKです)





このホップ苗は、ネット販売で購入したものです。

『カイコガネ』という品種で1株490円でした。

また、海外のお店ですが、ビール専用のホップを扱う 『Freshops』のホームページは、ホップ販売はもちろんの事、ホップに付くの害虫や病気など、いろいろと詳しい情報も記載してあります。



② 挿し芽で増やす


6月から7月、いちばん元気に成長している時期に挿し芽をします。

出来るだけ節の詰ったところを、約20cmくらいの長さにカッターナイフで斜めに切り、1時間ほど水揚げしてから挿し芽用の土に挿します。
(水揚げは、メネデール溶液などに浸けて置くと、なお良い)



根が出るまでは直射日光をさけ、明るいところに置き、水やりは絶対に欠かさないようにして1ヶ月以上放置します。



発根までの間、最初にあった葉は次々と落ちてしまいますが、水やりは続けましょう。

頑張って続けていると、一度枯れ落ちた葉の節の部分から新しい芽が出て来ます

因みに、この時3週間では発根せず、5週間目にしてようやく5mmほど伸びた根を確認出来ました。

発根の具合を見る為に、そのつど培養土から引抜いて確認していましたが、全然大丈夫でした。

結構、生命力が強いんですね。



③ 種から育てる

ネット販売などでも、ホップの種を購入することが出来ます。

しかし種から育てた場合、その株が雄株なのか雌株なのか、花が咲いてみないと解りません。

咲いてみないと解らないというのも一つの楽しみかも知れませんが・・・


●栽培に適した土作り

ホップは深根性の作物で、主根は地下3m以上にも達し、側根は半径2mにもなるといわれています。
栽培に適した場所は、地植えの場合、水はけが良く、日当たりの良い、そしてあまり風のあたらないところを選びましょう。

50cm以上は掘り起こし、底に完熟堆肥を元肥として入れよく踏み込んでから土を入れます。
そして株の先端は地下5cmのところに植え付けましょう。

プランターなどで栽培する時は、赤玉土7:腐葉土3の比率で培養土を作り、野菜用などの深いプランターなどに植えると良いでしょう。

ホップは非常に成長著しい作物です。

大き目のプランターでも株一本ずつ植えないと、後で栄養障害等で泣く事になります。
最盛期には1日20cm以上も伸びる事があるので、この時期には毎日欠かさず水を与え、追肥をしましょう。


●植え替えの時期

ホップの株分けや植付けの時期は、休眠中の11月末から3月始めころをお薦めします。

初秋、毬花(ホップ)が枯れてしまってから、ホップは来年の開花に向けて栄養分を蓄えます。
地上2mくらいまでは、葉を付けたまま自然に枯れ落ちるのを待ちましょう。

山から採ってくるときでも、雌株である事を確認したのち、根が栄養補給の終わる冬を待った方が植付け後の一年目は見違えるほど元気に成長してくれます。


●害虫と病気

ホップの葉は、余程美味しいらしく、沢山の虫たちに狙われています。
また、観察を続けていくと、いろいろな病気にも感染することがわかりました。


         ホップにつく害虫                   


■アブラムシ

最近ホップの元気が無いなー・・・なんて良く観察してみると・・・

物凄いアブラムシの大群です。もうこうなってしまっては農薬しかありませんね。
スミチオンという果実にも使える農薬がお薦めです。

アブラムシはテントウ虫の好物!ホップにテントウ虫の姿を見たら、アブラムシがいると思って間違いないでしょう。



■コガネムシの子供 ? 

柔らかい新葉を次から次へと集団で食い散らしていく最悪の集団!
葉っぱを穴だらけにしてしまいます。

体長約1mm。ルーペで見るとコガネムシの子供見たいな色と形です。
羽があるため、捕まえようとするとすぐに飛んでいってしまうので中々つかまりません。
アブラムシ同様、スミチオンをかけてみたところ、いなくなったのは2~3日間だけ。数日後にはまた戻ってきてしまいました。





■毛虫 

夏も近づくといろいろな蝶の幼虫が歩き回るようになります。毛虫は葉の裏側に付いているので、葉を裏返して良く観察しないと見落してしまいます。

ホップにつく害虫の中でも、体が大きい分だけ食欲も旺盛で、気付いた時には派手に食い荒らされてしまいます。




■ハダニ 

ホップに加害するのは、赤ダニ(カンザワハダニ)と白ダニ(ナミハダニ)の二種で、夏の高温乾燥期には、約12日で一世代を終わるほど繁殖力の非常に旺盛な害虫です。
早期防除が大切で、テデオン水和剤の700~1000倍液、キラカール水和剤の1500倍液、ケルセン乳剤の1500倍液などを散布。

幸か不幸か、まだ被害を受けていません。


         ホップの病気                     

■栄養障害

全体的に色が薄くなるか、縁のほうから茶色くなってきます。このまま放って置くと、葉は枯れて落ちてしまいます。

プランターで栽培した時、マリーゴールドが虫除けに効くというので、四隅に植えていたら、なんとこの症状が出てしまったんです。

早速マリーゴールドを引っこ抜いて、腐葉土を追加したら治ってしまいました。

また成長の早い時期に、水やりを1~2日忘れただけでもこの症状は出ます。プランターでの栽培は特に栄養補給が必要です。


■うどんこ病

葉の表面に、うどん粉のような白いものが付くことからこの名前がついたようです。

ホップの成長時期は、毎日水やりが必要なのですが、水をやり過ぎてもいけません。 難しいですね。

高温多湿が良くないらしく、感染すると中々治りません。見つけたらすぐに取り除き、離れたところに捨てましょう。


■ベト病


画像が、この病名かどうかは良くわかりません。

葉の褐色化が進み葉が表側に丸まってきます。

ホップの専門書によると、ベト病にかかると後ろ側に巻くと書かれているので、やっぱり違うのかもしれません。




■節づまり



元気なホップは、節と節の間が30~50cmくらい離れています。

写真の様に間隔が狭くなるのは、沢山葉っぱが付いていたとしても、元気の無い証拠です。





■風による被害


病気ではありませんが、強風で枯れてしまう事もあります


 が元気な時の新芽



新芽は、支柱・支線に巻き付く前に強風に晒されると、僅か数時間で無残な姿に変ってしまいました

芯の無い主茎は、上に伸びる事が出来ません
こうなってしまっては、残念ながら諦めるしかありません

この後は、側枝が伸びるだけでホップの花が咲く事はありません

もっと早く主茎を固定すべきでした



●無農薬栽培を目指して!

ホップ栽培には病気と害虫はツキモノです。

はじめは、害虫駆除にと農薬を使っていました。
ホップ栽培の経過を数名の友達にメールマガジンで配信していると、ある時こんな返事が返ってきました。

毎回楽しく読ませていただいてます。ホップの事で凄く気に成る農薬の件が有りましたので、メールしました。有機農法を推奨している百姓としては、たかがアブラムシくらいに科学農薬は如何なものかと・・・・・
残留農薬とか、気になりませんか?それに、虫殺しは種類によっては植物を枯らします!
・・・・

たしかに、農薬散布後、アブラムシ駆除と共に、茎の細い部分は、殆どが枯れてしまいました。

ここで、彼の推奨する方法をご紹介します。

アブラムシには、賞味期限の切れた牛乳が一番(切れてなくても良い)

もしくは、木酢の1000倍液~5000倍液を散布します。

それから、EM5醗酵液(米酢、糖蜜、焼酎、EM菌)という優れものも紹介していただきました。

EM菌は、土壌改良用のたくさんの微生物を特殊な技法で培養したもので、虫除けでも有名な、ストチュウ(酢と焼酎)と糖蜜と水を合わせて作ったものが、EM5醗酵液です。
この希釈液を散布する事により虫除けと、作物の生長促進をも促すという一石二鳥の効果を得ることが出来ます。

混合内容を見ても分かるように、人には殆ど害の無いものを使用しています。全ての作物(野菜、果実、花)に安心して使えますので、究極の万能薬といえるでしょう。


本当にありがたいものです。  言われてはじめて、自分の愚かさに気付きました。



 

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