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過放電コントロラー(12V用)

Published by mabo under on 18:40

<はじめに・・・この過放電コントローラーはハブダイナモ専用として考えた物です。>

3端子レギュレーターを基準電圧に使った、過放電コントロラーを作りました。


基準電圧には、ツェナーダイオードやTL431、そして3端子レギュレーターなどを使ったものがありますが、今回の過放電コントローラーには、3端子レギュレーターを使います。

この回路製作のテーマは、『省エネ!』。

負荷で消費する前に、少しでも無駄な電力消費が無いように、低損失CMOS3端子レギュレーターを使いました。




使用した低損失の3端子レギュレーターは、5V150mAのXC6202P502TBです。


右が通常の3端子レギュレーター、左側が今回使用した超省エネの3端子レギュレーターです。
大きさは、小型のトランジスタC1815とほとんど変わりません。

低消費電流10μAと、極僅か!
ここで一気に省エネを狙います。

仕上がり具合が、とても楽しみです。


コンパレーター(比較)には、定番のLM393を使用。

そして回路出口、出力側にはFET 2SJ668を使いました。
2SJ668は定格5A出力ですが、これは頭に付いている金属部分がきちんと放熱処理出来た場合の時だけです。

穴開き基盤に挿しただけでは、精々2Aまでと考えてください。
今回の負荷電流は1A程度と考えていますから、放熱処理なしでも大丈夫。

もっと大きな電流を流したい場合は、30A以上のFETがあります。放熱板などを付ける事で、この回路をそのままでも使うことが出来ます。

さて、回路図です。




出力側FETは、この回路では2SJ668で製作しました。 (2SJ334でも問題なく動きます。)

<回路製作のテーマ、『省エネ!』ですが・・・>

ON時(通常) 2.4mA OFF時(過放電) 0.8mAでした。
(※消費電流は、バッテリー電圧の変動で多少変化します)

作動確認ランプ(LED)が1mA消費していますから、上出来ではないかと思います。
調整値は、11.4V過放電感知、12.4V回路復帰です。

調整は、VR1で過放電感知電圧を、VR2でシュミット巾(復帰電圧)を調整します。
現在調整用の2つの半固定抵抗(50KΩと1MΩ)は、12時の位置(中心)で作動するように抵抗値を設定してあります。
(実際の抵抗は、値にバラツキがあるので、同じものを作っても同じようにはいきません)

「過放電電圧を下げたいが調整範囲外になってしまう」などの時は、VR1の前後の抵抗を、そしてシュミット巾調整用のVR2横の2.7MΩを変更してみてください。
(でも、保障は出来ませんよ!)

以上、低損失CMOSレギュレーターを使った過放電回路でした。

以前、過充電コントローラー(TL431使用)も作りましたが、基本回路は過放電も過充電も一緒です。
機会があれば、低損失CMOSレギュレーターを使った過充電回路も作ってみたいと思います。

※はじめに説明したように、小さなハブダイナモでも効率よく発電した電気が利用できるようにと、回路を考えています。市販されているコントローラーの過放電感知電圧は11.5V前後、復帰電圧は12.5Vあたりに設定されています。 一方、DC-ACコントローラーの負荷遮断電圧は10.5Vと低めの設定です。
ハブダイナモは、頑張っても2~3Wの発電能力。バッテリーに充電してから電気を利用する場合でも、発電能力の約4倍、消費電流で1A(12W)程度です。
大きめの負荷、たとえば2~3A以上消費している時に過放電を感知して回路が遮断されると、バッテリー電圧は今回設定した復帰電圧を超えてすぐに復活してしまいます。
しかし、ゆっくりゆっくり消費する負荷の場合は、回路が遮断されてもすぐに電圧が上昇する事はありません。
なので、あえて過放電感知電圧と復帰電圧の差を1Vに設定し、過放電復帰電圧を12.4Vで調整してみました。
VR1とVR2を調整する事で±0.2V程度は換える事が出来ますが、それ以外の範囲では半固定抵抗前後の抵抗値を換える必要があります。











 

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